少し前になりますが今年の三月の国際女性デーにGANは、女性の創造力によってここまで辿り着いたとデザイン界における女性の影響力に敬意を表しました。

2008年に独立したブランドとして誕生したGANの歴史は、クリエイティブディレクターに就任したマピオ・ミレーが、第一線のデザインを提供するために職人による技術革新を切望したことから始まりました。デザイナーの大半が女性であるGANは、有名デザイナーとクリエイティブなコラボレーションをすることでそのネットワークを広げ、伝統的な職人の技術において大きな革新をもたらし、デザインの分野で革命的となりました。

GANの代表的なデザイナー、パトリシア・ウルキオラがデザインしたORIGINAL MANGASは革新の出発点で、カーペットのデザインにおいてのビフォーアフターとも言えます。かつて見たことのない質感、工業的な四角い形とは全く違ったやわらかく自然な形、そしてウールのセーターのような色合いと暖かさを持ったこのラグは、コレクションの衝撃的なインパクトとなる鍵でした。
MANGASの成功とウルキオラとの実りあるコラボレーションはGANの歩みにおいて第二の決定的瞬間へと自然につながって行き来ました。それがGANのSpaceconceptです。このコレクションではプーフなどの立体的な製品が加わり、ラグとともにコーディネイトすることで完成された空間が生み出されます。このコンセプトは画期的であると同時に先駆的でもありました。

これと並行して、シャーロット・ランスロットはクロスステッチやプチポワンといった伝統的な刺繡を取り入れたデザインを展開し、CANEVASやSILAI、CHADDARといった作品を生み出しました。

そしてこれらに続き再びウルキオラが BANDASを発表しました。多彩なデザインの細長い帯のようなラグをベルクロ（マジックテープ）でつなげ、様々なサイズのラグやプーフ、シェーズロング、クッションとしてあらゆる空間で使うことができます。

刺繡のカーペットが生まれたことにより、このBANDASはGAN Women’s Unitの始まりとなりました。GAN Women’s Unitは、GANの製品をしっかりと作り上げることに積極的に参加する職人たちのチームを作ることでインドの農村部の女性のエンパワーメントと自立をサポートするプロジェクトです。クレア・アン・オブライエンのKNITTED STOOLSやネリ＆フーのLAN、イエール・メールとシェイ・アルカレイのRAW-EDGESによるBACKSTITCHといったコレクションで刺繡や棒針編み、かぎ針編みといった技術が用いられたことにより、GAN Women’s Unitは安定して成長し続けています。

また、エスニックなスタイルを取り入れたサンドラ・フィグエロラや幾何学模様のデザインを用いたマリア・メンガル、キリムの手織り技術に革命をもたらしたともいえるアン・リンドグレーンやソフィア・ラーゲルヴィストといった全くビジョンの異なるデザイナーとコラボすることで、GANのカタログは常に豊かなものとなってきました。

さらにGANは、天然素材で生物分解性の繊維だけでなく、パトリシア・ウルキオラのGARDEN LAYERSやNUANCES、シャーロット・ランスロットのDIAMONDといった作品のようにペットボトルや廃棄されたフェルトといった再生素材を使用することで、創業時からずっとサスティナブルなラグメーカーであり続けています。
GANはこれからも世界中の人々のよりよい生活のために、誰にも代えがたいデザイナーや職人とともに革新的な製品を生み、より持続可能性を高め、意識を高く持ちつつ徹底して目標を成し遂げてゆきます。